michiyon2004-09-01

李香蘭の本が終わって、次は東洋のマタハリ川島芳子の本を読んでます。二人のヨシコ、きっと何度も比べられているのでしょうけど、本を読む限りでは、強い信念の山口淑子、揺らぐ川島芳子という感じがします。
スパイ活動などにも何度も誘われている山口淑子さんですが、いずれもきっぱりと判断して断って、それが良い方向にいっています。死刑に処される噂も数かぎりなくあったようですが、国籍の証明や周りの人間の協力、そして自分自身に負い目がないことから、実際には処罰されることもなかったようだし。
それに比べて川島芳子さんのほうはというと、何かいつも不安な感じで、人(男)を信じては過剰な性格から裏切られ、感情のままに嫉妬したり根に持ったりして、余計に人を遠ざけたり、本当は良い心根もありそうなのに、どこか裏目に出ているようなイメージが。実際、最終的には日本の戸籍という死刑を免れるための唯一の証拠さえも得られずに、養父にも協力を得られずに死刑を執行されるという悲しい結末に。二人のヨシコ運命の明暗がここまで正反対とは・・・。
私は山口淑子さんは素敵だなあと思うのですが、同情というか、人間らしいなあと思うのは川島芳子さんのほうかなと思いました。
ああ、誰かと誰かの人生にも似ていると思ったら、「やすきよ」の二人だった。人を信じたり、人の期待に応えようとしすぎると人ってボロボロになるのかしら。横山やすし氏は、本当は地味で温厚な性格らしいけど、周りは破天荒な自分を期待してるのがわかるので、周囲にやっさんがキレるぞ!とか期待されてる気がすると、それに応えるべくキレたりしてたそうです。川島芳子さんも、きっとスパイとか、自堕落な自分とか期待されてる気がしてたんじゃないかなあ。だいたい、男装の麗人という言われ方からして、何かサービス精神を感じる。そういや、やっさんも水兵みたいな格好とかコスプレ色の強い扮装が多かった気が。あれも人に期待される自分の表現だったんだろうか。そして二人は早くに逝ってしまっているのです。
それとは逆に、西川きよし氏も李香蘭氏も存命で、しかも政治家になったところまでそっくりです。