「2046」見てきました。最初のキム様のシーン、しょっぱなから花様年華」を思わせるセリフに戸惑って最後まで見てられるかしらと思っていたけど、次第にすっと入っていってた。特にもうこの映画においてはチャン・ツィイーに尽きた。かなり身につまされて何度か涙してしまった。あとはまあまあな気持ちで見てましたが、ほんとにツィイーの心境が痛かった。一緒に行ったid:marikさんもツィイーが痛い組だったようなのですが、あのツィイーを見ても平然と見られて、あんまその気持ちがようわからんという人はきっと幸せだろうなーと二人でしみじみしてしまった。不幸やわー。と思ったらテレビのCMでツィイーが!もう見る目が違ってきたよ。
王家衛の映画の中の女子というのは、イケイケ押せ押せで欲望のままに率直に行動できる「陽」の女性と、あまり行動に移せないけれど沸々とした情念を感じさせる「陰」の女という二種類の女性が象徴的に出てくることが多かったように思うんだけど、今度のツィイーはその両面を持ってる感じ。というか時間で変化してるように見えた。
ツイィーのパートに関しては「ツイィーin巡恋歌」って感じだと思いました。長渕剛の「こーんなにすーきにさせといて・・・」ってやつです。
そしてツィイーは、「若さから来る自信が逆にあだとなって、何か(マギーならなお良し!)にギャフンといわされる」みたいな役柄が一番いいのかも!とも。「2046」もある意味そうだったけど、「HERO」もある部分はそうだった。今度の「ゲイシャ」のさゆりはどうなのかなー。ワクワク。原作読んでみたいなあ。ちょっと検索してみると、「さゆり」は波乱万丈で「いじめ」とかもあるんだとか!ツィイー向きかも。鼻っ柱の強いとこを見せていただきたい。

それにしてもトニーは悪い男やわー(いい意味で)、いろんなタイプの女性に対して、これほどあしらい方を心得てるというか、気持ちも行動も違う(当たり前なんだけど)そこがクーってなんか悔しい気がしましたわ。そして、王家衛の女目線が素晴らしかった。今回、映像が綺麗だわーとかいうのは自分的には少なかったけど、最後のエンドロールでずーーーーっと「LG」という実際にある企業のロゴが近未来都市風の風景に不自然に浮かび上がっていて、どんだけ金をつぎこんだらそんなことになるんだろうかと思ってしまいました。